「立教戦観戦記」増冨会員からの投稿
立教戦を観戦してまいりました。
僭越ながら感想を述べようと思います。
なお敬称は略させていただきます。ご了承ください。
まずは第1戦。息詰まる投手戦となりました。

先発投手は主将の外丸東眞(4年・前橋育英)。
2023年秋日本一の立役者が復活しました。
投手が主将を務めるのは相澤宏輔(熊本)以来、17年ぶりになります。相澤の前となりますと1983年の水野英利(刈谷)ということで近年の慶應としては非常に珍しい投手キャプテンです。
両サイドの低目に集める見事な投球で、9回を投げて9被安打・5奪三振・0四死球・1失点。しかし味方の援護がなくここで交代、無四球完投とはなりませんでした。
立教の先発は小畠一心(4年・智辯学園)。

この日はストレートとスライダーのキレが抜群で、慶應打線は手玉に取られたというべき内容でした。こちらも9回を投げた終えた時点では自責0の1失点。
延長戦に入ったところで試合が動きます。
10回表、流石に疲れが見えてきた小畠から2死ながら1・3塁のチャンスをつくり途中出場の横地広太(3年・慶應義塾)がしぶとく食らいつく内野安打で1点勝ち越しに成功。
裏は広池浩成(3年・慶應義塾)が先頭打者に二塁打を浴びるヒヤヒヤした展開ながらもキッチリ締め、2対1で先勝しました。
そして第2戦。

先発投手は渡辺和大(3年・高松商業)。
昨秋から球速が大きく伸びたサウスポーです。そのシーズンは最優秀防御率を獲得する活躍。ネット裏三田会の方々も期待をされていることでしょう。
しかしながらこの日は2回を投げた時点で8被安打と打ち込まれ自責は2ですが4失点という結果で降板となりました。最終的に塾野球部は計6失点。
確認した限りですが最速150キロをマークするなど調子自体はそこまで悪くなかったと思います。ですが立教打線は直球にまったく振り遅れることなく強打する場面が多かったです。
これぐらいの球速が出ている左腕ならば学生野球でこうも打ち込まれることは考えにくく、配球傾向かクセによって球種がバレている可能性が高いと感じました。
明治戦までは時間がありますし、何とか解決してもらいたいところです。
雨で順延したことに加え「調子が良い」「もう負けられない」という事情からでしょう、立教の先発はまたしても小畠でした。
しかし疲労がある小畠からも5回を使って常松広太郎(4年・慶應湘南藤沢)のソロホームランによる1得点しかできず終いでした。研究と対策を重ねなければ、また秋には難敵として立ちふさがってくると思います。

常松が更に9回にも一発を叩き込むなど、救援投手を打ち込み追い上げを見せたものの一歩及ばず6対5で敗戦。勝負は3戦目に持ち込まれます。
勝負の3戦目。これはあっけなく決着しました。
再びの先発となった外丸は疲れもあったか河野優輝(2年・広島本庄)にリーグ戦初打席ホームランを浴びて6.2/3回で2失点降板したもののキッチリとゲームメイクをしての降板。
なお立教選手の初打席ホームランは2008年主将の二場鉄平(東福岡)以来、史上2人目となります。つまり先述した相澤と同期主将です。
救援陣も失点0で締めました。
立教の先発は竹中勇登(4年・大阪桐蔭)。
丁寧に低目を突くのが特徴の投手なのですが、この日は登板予定日がスライドしたことも影響したのか全く内容が良くありませんでした。変化球がすっぽ抜けることが多く制球定まらず。
そこを塾野球部が捉えました。初のスタメンに抜擢された副将・今泉将(4年・慶應義塾)がリーグ戦初ホームランとなるスリーラン。これが決勝打となりました。
常松が連日となる2打点を挙げる活躍を見せたこともあり、9対2と圧勝。
1敗したものの勝ち点は獲得、比較的良好な滑り出しと言えるでしょう。

タレントが揃っていて粘り強い明治や、万全の投手陣が前年から変わらぬ早稲田が怖いところなので、優勝を狙うならばこのカードは絶対に獲らねばならないところでした。
まずここを勝ち越せたことは大きいと思います。
次の明治戦は慶早戦前の最大の山場というべき難所となるはずです。
ぜひ神宮球場へ足を運び、塾野球部の後押しとなる声援を届けていきましょう。
