「令和5年度印出順彦氏講演会」開催報告
梅雨空の鬱陶しい天気が続いていますが、皆様におかれましては如何お過ごしでしょうか。
さて、過日ご案内の「印出順彦氏講演会」を6月25日(日)に会員、ゲストを含め32名の参加のもとに開催しましたので、内容につきご報告致します。
【印出順彦氏講演会】
武蔵小杉「ホテル精養軒」に社会人野球東芝の選手、監督として都市対抗野球で優勝を飾り、NHK高校野球の解説者として知られる印出順彦、元塾野球部主将を講師に迎えて講演会を開催しました。
講演会では、印出氏が塾野球部に在籍当時、監督であった故前田祐吉氏の「前田野球」に薫陶を受けたお話を中心に講演頂きました。
前田野球のポイントは①チームプレーの前に、まず個人がベストを尽くす(勝負する)という姿勢が重要②そのうえで仲間を信頼してプレーする③各人が自分の役割を意識して創意工夫する という教えが基本にあった。野球はスポーツであり、勝利に向かっての課程や努力をどう楽しむかという「エンジョイベースボール」が真髄で、いわゆるそれまでの「野球道」と一線を画する指導であったとの話がありました。具体的戦い方としては、バンドや前進守備を使わないなど、「負けない野球」ではなく「勝ちに行く野球」が基本で、背景には東都など他の学生野球リーグと違い、東京六大学野球リーグは6チームの入れ替えがなく、負けて2部に落ちるなどの心配もないため、思い切って勝ちに行く戦法が適しているとのお考えがあったと思われる、この「勝ちに行く野球」は塾野球部出身者に綿々と浸透しており、都市対抗野球では直近の16年間で塾出身の監督が9回の優勝を占めているのもトーナメント戦に適しているためではとのお話しを頂きました。
講演の後は質問タイムを設け、参加者からの「打者のストラークゾーンは審判により、あるいはプロ野球と学生野球で違いがあるか」、「塾出身者のプロ野球での活躍ぶりをどう感じるか」などの質問に対し事例をあげて丁寧に分かり易くお答え頂き、「なるほど」と納得できる興味深いご説明がありました。
講演後、昼食会に移り、印出氏の主な出身地である茨城県の同郷で、社会人野球パナソニックの野球部長を経験した国井義郎会員が冒頭の「乾杯」発声の音頭を務め、併せて印出氏の属していた東芝野球部との戦いの思い出なども披露されました。また、昼食会の中では今年度新たに入会した3名の会員が紹介され、各人から自己紹介と塾野球部への思いなどが語られました。
終始笑顔が見られる和やかな中で昼食会は進み、会の締めとしてコロナ禍以降初めて参加者全員で「若き血」を元気に“声を出して”高らかに斉唱しました。
講演会での盛り上がりが、9月から始まる秋季リーグ戦での優勝に向けての会員の熱心な応援に繋がることが期待されます。これから迎える7,8月の暑い夏場を健康に乗り切り、また9月に神宮球場で皆様と元気に観戦できることを楽しみにしております。